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【専門科が解説】休職中の社会保険料って払うべき?

[2022.11.17]

休職中の社会保険料との向き合い方について解説します

 

 

「休職中の社会保険料って払うべき?」

このように疑問を持つ方は多いです。

休職前に給料から天引きされていた社会保険料が、休職中どのような扱いになるのか知りたい方は多いでしょう。

 

そこで今回は、休職中の社会保険料との向き合い方について解説します。

現在休職中の方や、社会保険料について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

休職中は社会保険料を払うべき?

休職中であっても、社会保険料は支払わなければなりません。

なぜなら休職に関する規定は、法律で定められているわけではなく、会社と休職者の就業規則によって決められているからです。

 

一般的に、社会保険料は給与から天引きされます。

一方で休職中は基本的に給与が支払われません。

そのため、社会保険料を支払う場合は、休職者が会社に振り込まなければならないのです。

 

 

 

そもそも社会保険料とは

社会保険とは、労働者個人を守るための保障のことです。

社会保険は会社の規模や事業形態によって加入が義務づけられています。

 

では、なぜ社会保険料を支払わなければならないのでしょうか。

それは、国民に何かあった際、国が国民に対し社会保障制度を適用させるための財源にするためです。

 

社会保障制度とは、社会保険や社会福祉、公的扶助や保健医療・公衆衛生の4つの制度の総称になります。病気や怪我になった方を補助したり、生活に困窮する方を支援したりする制度です。

 

次項では、給与控除が発生する社会保険料について解説します。

 

健康保険料

病気で治療を行う際に、医療費を一部負担するための財源になるものです。

 

厚生年金保険料

老後や障害・死亡の際に給付する財源です。

具体的には、障害・老齢・遺族厚生年金の財源にするための保険料になります。

 

介護保険料

介護施設や自宅で介護サービスを受ける際の費用を一部負担するための財源になるものです。

 

雇用保険料

育児・介護休業をとった労働者や失業者などに給付するための財源になるものです。

 

労働者災害補償保険料

労働者が勤務中、あるいは通勤途中などに事故や災害にあった際の費用を負担するための財源になるものです。

 

 

 

休職中であっても、社会保険料の金額は変わらない

いかなる休職者であっても社会保険料の金額が変動することはありません。

なぜなら、社会保険料は給与額を元に算出した「標準報酬月額」に基づいて算出されているからです。

 

標準報酬額とは、従業員と会社が折半する介護保健や健康保険、厚生年金保健などの社会保険料の計算を行うことで算出されます。

毎年1回7月に、4月〜6月に支払われた平均給与額から算出されるのです。

 

 

 

休職中に社会保険料が払えない場合の対処法

万が一、休職中に社会保険料が払えない場合は次のことを取り入れて実践してみてください。

傷病手当金を活用する

傷病手当金とは、怪我や病気を理由に休職をした際に受給できる手当金のことです。

療養のために会社の給与が受給できなくなった被保険者及びその家族の生活を保証するものになります。

 

傷病手当金は以下の全ての条件を満たすことで受給可能です。

 

  • 休職中に給与を受給していない
  • 連続する3日間を含む4日間以上、勤務ができなかった
  • 仕事に就けない(働けない)状態である
  • 業務以外の理由で、怪我や病気の療養のため休職している

 

上記の条件を全て満たし、申請することで休職前の給与の3分2が受給できます。

支給期間は、支給開始から通算して最長1年6ヶ月です。

 

休職中、給与が受給できず、社会保険料の支払いが厳しい場合は傷病手当金を活用しましょう。

 

会社に立て替えてもらう

会社に相談し、復職するまで社会保険料を建て替えてもらう方法があります。

復帰後は分割支払いなどを通して少しずつ返済していくこともできるかもしれません。

ただし、会社によっては就業規則に反するとして、実現できないこともあるでしょう。

 

気になる方は会社の人事部や総務部に確認しておくといいです。

 

 

 

休職中に支払うべき社会保険料Q&A

休職中に支払うべき社会保険料について、よくある質問をまとめました。

参考にしてみてください。

 

Q:病気で療養することになり休職することに。その間、会社からは給与は支払われないが、社会保険料はどうなる?

休職し、会社からの給与がなくても、社会保険料はの負担は変わりません。

費用も休職前と同様になります。

 

Q:傷病手当金を会社に支給してもらい、そこから社会保険料などを控除してもらうことはできる?

可能です。手続きを行うことで、休職者がわざわざ社会保険料を会社に支払う必要がなくなります。

 

傷病手当金の申請時に、手当金の振込先が会社になるよう設定するといいです。

手当金を受け取った会社は、受け取った手当金の内、社会保険料分を差し引いて従業員に給与を与えます。

 

Q:3ヶ月間休職した結果、給与所得は0円。この場合、社会保険料の負担は減る?

社会保険料の負担は変動ありません。

もし数日間出勤しても、3ヶ月間とも算定基礎日数が17日未満であれば算定基礎の対象外になります。そのため、社会保険料の負担が減ることはありません。

 

Q:出産時に休業する場合は給与の一部が支給されますが、社会保険料も免除になる?

育児休業期間中は、社会保険料が免除になります。

一方で産後や産前は免除にならないため、注意が必要です。

 

Q:休職と育休の違いは?

休職と育休の違いは「法律で守られているか否か」です。

育休は法律で守られています。女性が育児や出産にまつわる正当な休みをとることに対し、会社が不当に減給したり、解雇したりすることを禁じるものです。

 

一方で休職は法律で守られていません。休職は会社が定めた制度であり、内容は会社の就業規則によって異なります。そのため、休職可能な期間などは会社によって異なるのです。

 

Q:休職が長期になりそうなので、社会保険の資格を喪失したいが、可能?

可能です。一般的に資格を喪失する場合は、勤務形態が変更し、社会保険加入資格がなくなったケースに限ります。

 

また、休職をして復職の目処がたたない場合も、社会保険の資格の喪失は可能です。

ただし、医師の判断で復職の目処がたっている場合や、休職期間が短い場合などは認められません。

 

Q:休職が長期になり、会社の就業規則所定の休職期間満了までに復職できる見込みがない場合、どうなる?

会社の就業規則所定の休職期間満了までに復職できない場合、自然退職となるケースが多いでしょう。

 

しかし「休職前と同じ業務ができない」という理由だけで従業員の復職を会社が拒否することはできません。

 

 

 

まとめ

今回は、休職中の社会保険料との向き合い方について解説しました。

休職中は、社会保険料を支払わなければなりません。

なぜなら、休職制度自体が法律で定められているわけではなく、会社と休職者の就業規則によって定められているからです。

 

休職中の社会保険料の金額は変わりません。

万が一、社会保険料の支払いが難しくなった場合は、傷病手当金制度を活用しましょう。

傷病手当金の申請時に、手当金の振込先を会社に設定すれば、手当金から社会保険料分を差し引いた給与が受給できます。

 

それでも社会保険料の支払いが難しい場合は、会社に社会保険料を建て替えてもらう方法もあるでしょう。

ただし、会社によって就業規則が異なるため、建て替えが難しい会社もあるかもしれません。

検討する方は、会社に確認するといいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記載:おりたメンタルクリニック医師

 


 

 

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