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休職について(心療内科・精神科)

[2022.11.15]

手続きの流れから傷病手当金の支給まで

医師がわかりやすく解説します

 

 

休職とは、仕事から離れて自宅療養し、心身の回復を図ることです。

 

休職は、単なる休暇や休業とは異なります。

休職を検討している方は、基礎知識を身につけるとともに、支給される可能性がある傷病手当金についても確認しておきましょう。

 

 

本記事では、休職と休業や欠勤との違い、休職の種類、取得するための条件、手続きの流れから傷病手当金の支給についてまで詳しく解説します。

 

 


 

目次

 

休職とは

休職の種類

休職を予定している場合に必要な準備

病気や怪我による休職手続きの流れ

休職中に受け取れる「傷病手当金」

休職後の3つの選択肢

まとめ

 

 


 

休職とは

休職とは、従業員が自己都合によって取得する長期休暇のことです。

病気や怪我が理由の休職を除き、休職中は給与が支払われないケースが多いでしょう。

また、休職は休業や欠勤と混同されがちですが、明確な違いがあります。

 

 

それでは、混同されやすい休業や欠勤との違いについて詳しく解説します。

 

休業との違い

 

休職が従業員の自己都合による長期休暇であるのに対し、休業は会社都合による休暇です。

例えば、「業績不振を理由に人件費を一時的にカットしたい」、「設備の不具合により業務を行えない」などの理由で休業します。

なお、育児休業や介護休業は法律で定められた制度のため、休業扱いとなります。

 

休職が可能かどうかは各企業の規定で異なるため、休職が認められないケースも少なくありません。

一方、休業は会社都合による休暇のため、従業員が拒否することは不可能です。

また、育児休業や介護休業など法律で定められた制度については、諸条件を満たした従業員が制度の利用を求めた場合は、企業側はそれを拒否できません。

 

欠勤との違い

欠勤とは、従業員の自己都合で所定労働日に取得する休暇のことです。

例えば、病気や怪我で急に勤務できなくなったり、無断で休んだりした場合が該当します。

一方、休職は従業員と企業側で協議し、双方合意のもとで取得する休暇です。

 

なお、無断欠勤が続くと就業規則の定めに従い、懲戒処分や解雇となります。

 

 

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休職の種類

休職は、取得理由に応じて複数の種類に分類されます。

企業側がどの休職の扱いとするかを取り決めるものであり、従業員が決めることはできません。

例えば、病気や怪我以外の理由で休暇を取る場合に、「傷病休職」の扱いとして傷病手当金を受け取ることは不可能です。

 

また、休職制度の導入は法律で義務付けられていないため、一切の休職制度がない企業もあります。

 

それでは、休職の種類について詳しく見ていきましょう。

 

傷病休職

傷病休職は、労災扱いとならない病気や怪我を理由とした休職です。

労災は業務による病気や怪我のことで、工場設備で手をはさんで怪我をしたり、作業中に物が落下してきて怪我をしたりするケースが該当します。

 

傷病休職制度を企業が設けることは義務付けられていませんが、労災でなかったとしても病気や怪我が原因で働けなくなるケースがあるため、多くの企業では傷病休職を認めています。

ただし、傷病休職制度の取得条件や日数などについて就業規則で定めておく必要があります。

 

なお、労災以外の病気や怪我で休職する場合に諸条件を満たしていれば、傷病手当金を受け取ることができます。

傷病手当金については後述しますので、そちらもぜひチェックしてください。

 

事故欠勤休職

事故欠勤休職とは、従業員側に起きた何らかのトラブルを理由に取得する休職です。

「事故」といっても交通事故ではありません。

交通事故で怪我をした場合、業務外ならば傷病休職、業務中ならば労災による休職となります。

 

事故欠勤休職における「事故」は、逮捕・拘留を指すことが一般的です。

会社が定めた期間中に就労可能となれば復職できますが、就労できない場合は自動的に退職または解雇となります。

 

自己都合休職

自己都合休職は、留学やボランティアへの参加など、従業員の自己都合によって取得する休職です。

休職中も社会保険料の納付が必要なため、無給であっても会社へ毎月支払います。

また、会社負担分も発生するため、自己都合休職は企業側に負担がかかる行為です。

 

 

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休職を予定している場合に必要な準備

 

会社の規定を確認する

休職する理由に対応した制度があるかどうかを確認しましょう。

また、休職の際に休職診断書の提出を求められるかどうかも確認が必要です。

なお、就業規則で休職診断書の提出が義務づけられている場合は、診断書なしでは休職できないことを意味します。

 

休職診断書を提出せず、会社から休職することを認められないままに休むと無断欠勤となり、解雇や懲戒処分を受ける恐れがあります。

 

そのほか、休職可能な期間や休職中の給与、社会保険の扱いなどは企業によって異なるため、あわせて確認しましょう。

 

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病気や怪我による休職手続きの流れ

 

休職する際は、就業規則の確認、上司から理解を得るなどした後に、正式に休職したい旨を会社側に伝えます。

病気や怪我による休職手続きに関しては、休職診断書の提出を求められることがほとんどのため、他の理由で休職する場合と手続きの流れが異なります。

 

傷病休職を希望する際の手続きの流れについて詳しく見ていきましょう。

 

1. 医療機関に相談する

まずは、現在起きている症状に対応した診療科を受診しましょう。

例えば、精神疾患であれば心療内科、外傷は内科や外科、形成外科、内臓系は呼吸器内科や消化器内科、循環器科などを受診します。

症状が現れ始めた時期、症状に関する悩み、仕事の状況などを伝えましょう。

 

休職を検討していることを伝えると、病気や怪我の状態から休職の必要性を判断してもらえます。

休職の必要性がないにもかかわらず、休職が必要との内容の診断書を作成してもらうことはできません。

 

2.会社に申請する

休職診断書を会社に提出します。

事情により直接提出できない場合には、電話で連絡の上、メールや郵送などで提出も可能かと考えられます。

 

 

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休職中に受け取れる「傷病手当金」

労災以外の病気や怪我で休職する場合は、傷病手当金を受け取れる可能性があります。

傷病手当金の内容や支給条件などについて詳しく解説します。

 

 

内容

傷病手当金とは、業務とは関係がない理由による病気や怪我で休職した場合に、健康保険組合から給付されるお金です。

標準報酬月額の3分の2に相当する金額を受け取ることができます。

 

条件

傷病手当金の受給には、次の条件を満たす必要があります。

  • 社会保険に加入している
  • 業務とは関係がない理由による病気や怪我で療養している
  • 療養に伴って就労ができない状態にある
  • 療養のために休み始めた日から4日以上が経過している
  • 給与が支払われていない、または一部のみ支払われている(傷病手当金よりも給与支給額が少ない場合は、その差額が給付される)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

社会保険に加入している

傷病手当金は、健康保険組合から支給されるため、社会保険に加入している必要があります。

アルバイト・パート、派遣社員でも、社会保険に加入していれば傷病手当金を受給できる可能性があるため、忘れずに確認しましょう。

 

業務とは関係がない理由による病気や怪我で療養している

傷病手当金は、病気や怪我が原因で働けない場合に受給できます。

労災に該当する場合は、傷病手当金の代わりに労災保険からの給付金を受け取れます。

 

療養に伴って就労ができない状態にある

病気や怪我で療養しており、さらに就労できない状況であることも条件です。業務内容と病状や怪我の状態を照らし合わせ、医師が判断します。

 

療養のために休み始めた日から4日以上が経過している

病気や怪我をしてから連続で3日以上休んだ場合に、その次に休んだ日から傷病手当金の支給が発生します。

なお、有給休暇や会社の休業日も日数に含むため、金曜日が有給休暇、土日が会社の所定の休業日で月曜日に欠勤した場合でも、次に休んだ日から傷病手当金の支給が始まります。

 

通常通りに出勤し、土日に休暇をとって月曜日に再び勤務する場合は、連続して3日以上休んだことにならないため、傷病手当金の支給は始まりません。

 

給与が支払われていない・一部のみ支払われている

傷病手当金は、休職中に給与が支払われない場合に支給されます。給与の一部が支払われており、なおかつ傷病手当金を下回る場合は、その差額を受給できます。

 

受け取れる期間

傷病手当金を受け取れる期間は、最長1年6ヶ月です。

それ以上の期間の休職が認められたとしても、傷病手当金の給付はストップします。

 

必要書類

傷病手当金を受け取るには、申請書への必要事項の記入が必要です。

また、申請時には必要ありませんが、会社が休職の判断をするための資料として、休職診断書の提出を求められるケースがあります。

診断書は医師でなければ発行できないため、病気や怪我で休職が必要であることを専門家の視点で判断してもらえます。

 

申請方法

傷病手当金は、会社に必要書類を提出し、会社が健康保険組合に申請する流れが一般的です。次の流れで手続きしましょう。

 

(1)    会社が加入している健康保険組合へ連絡して申請書を取り寄せる

(2)    従業員が「被保険者記入用」に記入する

(3)    医師が「療養担当者(担当医師)記入用」に記入する

(4)    会社が「事業主記入用」に記入する

(5)    従業員が記入した2枚、医師が記入した1枚、会社が記入した1枚の計4枚の書類、他に提出を求められた書類を会社に提出する

 

提出を求められる書類はケースバイケースのため、会社に確認しましょう。

 

 

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休職後の3つの選択肢

 

休職は復職が前提であるものの、退職や転職を選択しても問題ありません。休職後の3つの選択肢について詳しく解説します。

 

復職

復職するためには、病気や怪我が回復して就労できる状態になったことを証明する必要があります。

就労できない状態であるのに無理に就労すると、病気や怪我が悪化して再び休職せざるを得なくなる可能性も否定できません。

 

会社側に迷惑がかかることを避けるためにも、医師の診断を受けて、復職可能であることがわかる診断を取得しましょう。

診断書は会社の上司に提出し、復職について相談します。

就労できるものの本来の業務を適切な水準で遂行できない可能性がある場合は、負担の少ない業務への配置転換を提案されることがあります。

 

 

退職

休職中に、復職後の生活をイメージすると、これまで通りの仕事ができないと感じることがあります。

退職の決意を固めたときは、上司や人事部に退職したい旨を伝えましょう。

出社が難しい状況の場合は、退職届を郵送します。

 

休職の理由がパワハラやセクハラなどの場合、復職できる精神状態へ回復せず退職を余儀なくされるケースがあります。

その場合は自己都合ではなく会社都合による退職となり、失業手当をより早く受給できるため、間違えないようにしましょう。

 

 

転職

復職できる状態に回復したものの、復職したくない理由がある場合は転職も検討しましょう。

休職期間中の転職活動を禁止する法律はないため、病気や怪我の状況次第では余裕をもって転職先を探すことができます。

転職先が決まった時点で速やかにその旨を会社に伝えましょう。

 

 

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まとめ

休職の条件や期間については会社によって異なるため、就業規則の内容を確認しましょう。

また、病気や怪我を理由に休職する場合は、傷病手当金を受給できる可能性があるため、こちらも一緒に確認が必要です。

 

 

適切な準備、手続きを行い、休職を正しく取得しましょう。

 

 

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記事監修:おりたメンタルクリニック医師

 

 

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