高齢者のうつの特徴について
高齢者におけるうつ病の特徴は次のとおりです
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身体的な症状が目立つ:高齢者のうつ病では、気分の低下や喪失感よりも、食欲不振、体重減少、睡眠障害、疲労感などの身体的な症状が強く出ることが多いです。
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認知機能の低下:高齢者のうつ病では、注意力や記憶力の低下、思考速度の遅延などの認知機能の低下が見られることがあります。これらの症状は時折誤って認知症と診断されることがあります。
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自殺リスク:全年齢層におけるうつ病患者と比較して、高齢者のうつ病患者は自殺リスクが高いと報告されています。特に男性の高齢者では、このリスクはさらに高くなる可能性があります。
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医学的な共存病:高齢者のうつ病患者は、心疾患、糖尿病、パーキンソン病などの他の医学的な疾患を持つ可能性が高いです。これらの疾患はうつ病の症状を悪化させる可能性があります。
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治療への反応:高齢者のうつ病患者は、若年者と比較して治療に対する反応が遅いか、または反応しないことがあります。これは一部の高齢者がうつ病の症状を「老化の一部」と誤解しているためかもしれません。
これらは一般的な特徴であり、個々の患者さんでは症状や病状の進行が異なることを覚えておいてください。
また、高齢者のうつ病はしばしば見過ごされがちです。そのため、高齢者がうつ病の症状を示していると思われる場合は、適切な医療専門家に相談することが重要です。