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運動チックとは??

[2023.12.11]

運動チックとは、身体の一部が本人の意思とは無関係に突然動いてしまう症状のことです。

 

 

 

この現象は、主に小児期に見られる「チック障害」や「トゥレット症候群」に関連しています。

以下では、運動チックの特徴、原因、診断・治療法、生活への影響など、より詳しく解説します。

 

 


運動チックの特徴

運動チックとは?

運動チック(motor tic)は、意図しない、急激で反復的な動作が特徴です。この症状は短期間で終わる場合もあれば、数ヶ月から数年以上にわたって継続する場合もあります。症状が軽度であれば日常生活に大きな支障をきたさないこともありますが、重症例では学校や仕事、社会生活に影響を与えることがあります。

運動チックの分類

運動チックは、その動作の複雑さや意味の有無に応じて以下の2種類に分けられます。

  1. 単純運動チック

    • 単一の簡単な動作で、反射的に見える場合もあります。
    • 具体例:
      • 頻繁なまばたき
      • 口の動き(すぼめたり、舌を出したりする)
      • 首を振る、肩をすくめる
      • 手や指を動かす
  2. 複雑運動チック

    • 複数の動作が組み合わさったものや、一見すると意味のある行動のように見える動き。
    • 具体例:
      • 飛び跳ねる
      • 他人や物に触れる
      • 頭を振り回す、全身を揺らす
      • 特定のジェスチャー(例: 決まった手の動きを繰り返す)

運動チックの動きの特徴

  • 突発性:本人の意思に反して突然起こる。
  • 短時間:一つの動きは数秒から十数秒で終わる。
  • 周期的:同じ動きが時間を置いて繰り返される。
  • 状況に応じた変化:ストレスや緊張で悪化する一方、集中しているときやリラックスしているときは軽減することが多い。
  • 抑制可能性:一時的に意識的に抑えることができるが、その後により強い衝動が生じることもある。

運動チックの原因

運動チックの原因は複合的で、完全には解明されていません。しかし、神経学的要因、遺伝的要因、環境要因が関与していると考えられています。

1. 神経学的要因

  • 運動チックは、脳内の神経伝達物質の働きに異常が生じることによって起こると考えられています。
  • 特に、ドーパミンという神経伝達物質の過剰な活動が基底核(運動制御を担う脳の部分)に影響を与え、チック症状を引き起こす可能性が指摘されています。

2. 遺伝的要因

  • 運動チックやトゥレット症候群は遺伝的な要因が強く影響しているとされています。
  • チック障害を持つ人の家族では、同様の症状がみられる頻度が高いことが研究で示されています。

3. 環境要因

  • ストレスや疲労、興奮、睡眠不足などの外的な要因がチック症状を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
  • 特に子どもの場合、学校生活や家庭環境の変化が影響することが多いです。

関連する障害

運動チックは単独で現れる場合もありますが、他のチック障害や神経疾患と関連していることがあります。

1. 一過性チック障害

  • 症状が一時的で、通常数週間から1年以内に自然に消失します。
  • 小児期に多く見られ、特にストレスの多い状況で発症しやすいです。

2. 持続性チック障害

  • 運動チックや音声チックが1年以上持続する場合に診断されます。
  • 一過性のチックとは異なり、治療が必要なケースもあります。

3. トゥレット症候群

  • 運動チックと音声チックの両方が見られる神経疾患。
  • チック症状に加え、注意欠陥多動性障害(ADHD)や強迫性障害(OCD)を併発することも多いです。

診断と治療

診断

運動チックの診断には以下の方法が用いられます。

  1. 問診
    • 症状の出現時期、頻度、持続期間、悪化や緩和の要因を詳しく調べます。
  2. 観察
    • 医師や心理士が実際のチック症状を観察し、特徴を記録します。
  3. 除外診断
    • 他の神経疾患(ジストニアやてんかんなど)や精神疾患との区別を行います。

治療

運動チックの治療は、症状の重さや日常生活への影響度に応じて選択されます。

  1. 行動療法

    • 認知行動療法(CBT):症状の対処法を学び、悪化を防ぐ。
    • ハビット・リバーサル・トレーニング:チック行動に代わる別の動作を習慣づける訓練。
  2. 薬物療法

    • ドーパミン受容体拮抗薬(例: リスペリドン)や、α2アドレナリン作動薬(例: クロニジン)を用いることがあります。
  3. 環境調整

    • ストレスを軽減するため、家族や学校の協力が重要です。

日常生活への影響と支援の重要性

運動チックは本人がコントロールできない症状であるため、周囲の理解が不可欠です。特に子どもの場合、友人や教師からの誤解やからかいがストレスを増加させ、症状を悪化させることがあります。そのため、学校や家庭では次のような支援が求められます。

  • 適切な環境作り:静かな空間やリラックスできる環境を提供する。
  • 心理的サポート:不安を和らげるために話を聞く、必要に応じて専門家の助けを借りる。
  • 情報の共有:周囲に運動チックについて正しく理解してもらう。

まとめ

運動チックは多くの場合、自然に軽減または消失することが多いですが、症状が重度の場合や、本人の生活に大きな影響を与える場合には、早期に専門家の助けを求めることが重要です。

また、家族や周囲の人々の適切なサポートと理解が、チック症状の管理において大きな助けとなります。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

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