メニュー

強迫性障害の暴露反応妨害法とは?

[2023.05.23]

 

強迫性障害の治療法の一つとして、暴露反応妨害法(Exposure and Response Prevention: ERP)があります。

これは認知行動療法の一種で、強迫性障害の症状を改善することを目指す治療法です。

 

強迫性障害は、強迫観念(つまり、反復的な、侵入的な思考や懸念)と強迫行為(つまり、それらの思考や懸念を和らげるために繰り返される行為や儀式)を特徴とする疾患です。

 

暴露反応妨害法は、その名前が示す通り、2つの主要な要素から成り立っています。

  1. 暴露(Exposure): これは患者が強迫観念を引き起こす状況や物体に故意にさらされるプロセスです。治療の初期段階では、これは通常、強迫観念を最も弱く引き起こすものから始まります。

  2. 反応妨害(Response Prevention): これは患者が強迫観念を引き起こす状況に直面したときに、強迫行為に逃げ込むのを防ぐことです。

 

この治療法の目的は、強迫観念が現れたときにそれを耐え、その観念が時間と共に自然に減退することを学ぶことです。

これにより、患者は強迫観念とその強迫行為との間の連鎖を断つことができます。

つまり、強迫観念が現れても、強迫行為に頼らずともそれを耐えることができるようになるのです。

 

暴露反応妨害法は専門的なガイダンスの下で行われ、症状の重さや患者の具体的な状況に合わせて個別に調整されます。

強迫性障害の治療では、ERPは非常に効果的な手段とされていますが、一部の患者はこの治療法が非常に難しいと感じることもあります。

そのため、ERPを受ける決定は、医師やカウンセラーと患者が密接に協力して行うことが重要です。

 

 

 

暴露反応妨害法(ERP)をより具体的に説明します。

以下に、治療の一例を挙げます。

ただし、治療は個々の患者の症状やニーズに合わせて個別に調整されるため、具体的な手順は変わる場合があります。

 

強迫観念が汚染への恐怖(例えば、感染症を恐れている)であるとしましょう。

それに対する強迫行為が手を過度に洗う行為だとします。

このケースにおけるERP治療の一部は次のようになるかもしれません

 

  1. 準備段階: 患者と治療者は、治療を開始する前に共同で準備を行います。この段階では、治療の目的、手順、期待される結果について説明され、患者が治療について理解し、それを受け入れることが重要です。

  2. 恐怖階層の作成: 患者と治療者は一緒に、患者が最も恐怖を感じる状況から最も少ない状況まで、さまざまな状況のリスト(これを「恐怖階層」と呼びます)を作成します。このケースでは、例えば、公共のトイレを使うことが最も恐怖を感じる状況であるかもしれません。一方で、自宅で新しい(しかし清潔な)食器を使うことが最も恐怖を少なく感じる状況であるかもしれません。

  3. 暴露: 患者は治療者のガイダンスのもとで、恐怖階層の最も低いレベルから始めます。つまり、このケースでは、新しい食器を使うことから始めるかもしれません。この行為によって引き起こされる不快感や恐怖を経験しながら、その感情が時間とともに自然に減少することを学びます。

  4. 反応妨害: 患者は暴露の間、またはその後で強迫行為(このケースでは手洗い)を行うのを避けます。これにより、恐怖感と強迫行為の間の連鎖を断ち切ることができます。

  5. 進行: 患者が一つの状況に慣れ、それがもはや強迫観念や強迫行為を引き起こさなくなったら、次のレベルに進みます。これを繰り返すことで、患者は最終的には最も恐怖を感じる状況にも対処できるようになることを目指します。

 

この治療法は専門的なガイダンスの下で行われ、症状の重さや患者の具体的な状況に合わせて個別に調整されます。

また、治療は困難であると感じることもありますが、長期的には強迫観念と強迫行為を大幅に減らすことができます。

この方法は研究によってその有効性が証明されていますが、それが適切な選択肢であるかどうかを判断するには、医師やカウンセラーと相談することが重要です。

 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME