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市販薬のオーバードース問題と新たな規制について — 2026年5月から8成分が『指定乱用防止医薬品』に

[2025.11.12]

近年、若年層を中心に市販薬のオーバードース(過量服薬)が深刻な社会問題となっています。体調管理のために利用されるはずの薬が、「つらさを紛らわせたい」「気分を変えたい」といった心理的な理由から、本来の服用量を超えて摂取されてしまうケースが増加しています。

こうした状況を受け、厚生労働省は2026年5月より、2つの成分を新たに規制対象に追加し、合計8成分を含む市販薬が「指定乱用防止医薬品」に分類される予定です。これにより、薬局での販売方法がこれまで以上に厳格化されます。


なぜ市販薬が乱用されるのか

市販薬は「医師の処方が不要」で「手軽に買える」ことが大きな利点です。しかしその反面、

  • 安全だと思い込みやすい

  • 自分で量を調整できると誤解されやすい

といった特性により、過量摂取につながりやすい面があります。

特に今回の規制対象である
「デキストロメトルファン」「ジフェンヒドラミン」 は、どちらも中枢神経系に作用する成分であり、多量摂取により精神的・身体的な影響が出やすいことが知られています。


① デキストロメトルファン(咳止め成分)について

● 主な作用

市販の咳止め・総合感冒薬に含まれる成分で、
咳反射を抑制する鎮咳薬です。

● 過量摂取で起こりうる作用

通常量では安全性が高い一方、過量摂取をすると、

  • ぼんやりした感覚、浮遊感

  • 解離感(自分が自分でないような感覚)

  • 幻覚・感覚の変容

  • 判断力の低下

などが生じることがあります。

これは、脳の興奮性や知覚処理に影響するためであり、「つらい現実感を薄めたい」「気持ちを鈍らせたい」と感じている人にとって、一時的な逃避効果として誤って選ばれてしまうことがあります。

● 長期的なリスク

  • 依存性

  • 記憶力や集中力の低下

  • 情緒の不安定化

精神面・生活面に深刻な影響が生じることがあります。


② ジフェンヒドラミン(抗アレルギー・睡眠改善成分)について

● 主な作用

もともとは抗ヒスタミン薬で、

  • かゆみ止め

  • 眠気を誘発する作用

を利用して、市販の睡眠改善薬としても販売されています。

● 過量摂取で起こりうる作用

  • 強い眠気

  • 混乱・言動の不自然さ

  • 幻覚や妄想

  • 心拍の乱れ

など、中枢神経抑制作用が強く現れます。

「眠れないから」「不安を抑えたいから」といった理由で量が増えてしまいやすく、結果的に依存的な使用パターンに至ることがあります。


指定乱用防止医薬品に指定されると

薬局での販売は以下のように変わります。

  • 薬剤師による対面説明が必須

  • 購入目的の確認

  • 必要に応じ販売数量の制限

これは、「使ってはいけない」という意味ではなく、適切な理解と使用を支えるための措置です。


背景にある“心のつらさ”に目を向けることが大切

オーバードースは、「意図的な自傷」だけではありません。

  • 職場や学校のストレス

  • 孤独感・不安

  • 眠れない日が続く

  • 気分が落ち込む

こうした “心の圧迫” が蓄積した結果として生じることが多いのです。

薬に頼らざるを得ない状況は、
本来は専門家に相談すべきサインです。


もし心当たりがある方へ

  • 「薬の量がつい増えてしまう」

  • 「やめたいのに不安でやめられない」

  • 「家族や友人がやめられず困っている」

一人で抱え込まず、専門機関にぜひご相談ください。

 

 

 

 

 

 

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