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生理前後のメンタル不調について

[2024.07.25]

 

 

1. 生理前後のメンタル不調とは?

生理前後のメンタル不調は、生理周期に伴って女性の体内で起こるホルモンバランスの変化によって引き起こされる症状です。生理周期の中で特に月経前生理中は、ホルモンの大きな変動が発生し、心身の状態が不安定になりやすい時期とされています。

代表的なメンタル症状

  • 抑うつ感や気分の落ち込み
  • イライラしやすい、怒りっぽい
  • 漠然とした不安感、焦燥感
  • 涙もろくなる、孤独感を感じる
  • やる気や集中力の低下
  • 無気力や疲労感の増大
  • 睡眠障害(眠気が強い、あるいは不眠)

これらの症状は軽い場合から重度なものまで個人差があり、また、その程度も周期によって異なることがあります。


2. ホルモンと生理周期の関係

生理周期は約28日〜35日を1サイクルとして繰り返され、以下の4つの時期に分けられます:

① 月経期(生理期間:1〜5日目)

この時期は子宮内膜が剥がれ落ち、生理が始まります。

  • エストロゲンプロゲステロンの分泌が大幅に低下し、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
  • ホルモン低下により、気分の落ち込みや疲労感、身体のだるさが現れやすくなります。

② 卵胞期(6〜14日目:生理終了後)

生理が終わると、卵巣内で卵胞が成長し始める時期です。

  • エストロゲンが増加し、心身の安定感が戻りやすい時期です。
  • 気分が比較的安定し、体調が良くなりやすい時期といえます。

③ 排卵期(14日目前後)

排卵が起こる時期です。

  • エストロゲンがピークに達し、その後急激に低下します。
  • このホルモンの変動が精神的な不安定さを引き起こすことがあります。

④ 黄体期(15〜28日目:生理前の期間)

排卵後、卵巣から分泌されるプロゲステロンが増加する時期です。

  • このホルモンの変動により、自律神経や脳内神経伝達物質(セロトニン)の働きが影響を受けます。
  • PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の症状が現れやすい時期です。

このように、エストロゲンプロゲステロンの変化が、メンタル面や体調に大きな影響を与えます。特に黄体期から月経期にかけての急激なホルモン低下がメンタル不調を引き起こす主な原因とされています。


3. PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)

PMSとは?

PMS(月経前症候群)とは、生理の3〜10日ほど前に起こる身体的・精神的な症状の総称です。

  • 身体的症状:腹痛、頭痛、むくみ、乳房の張り、倦怠感
  • 精神的症状:イライラ、抑うつ、不安、集中力の低下

PMSの症状は生理が始まると徐々に軽減されることが特徴です。

PMDDとは?

PMDD(月経前不快気分障害)は、PMSの中でも精神的な症状が特に重い場合を指し、日常生活や社会活動に支障をきたすほどの影響が現れます。

PMDDの主な特徴

  • 深刻な抑うつ感や絶望感
  • 怒りや対人関係のトラブル
  • 強い不安やパニック発作
  • 集中力の著しい低下
  • 自己肯定感の低下、無気力

PMDDは、精神的な症状が強く出るため、うつ病や不安障害と間違われることもあります。しかし、生理周期と連動して症状が現れることが診断のポイントです。


4. 原因と影響する要因

ホルモンバランスの乱れ

エストロゲンやプロゲステロンの急激な変動が、脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)の分泌に影響を与え、感情のコントロールを難しくします。

セロトニンの低下

セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、気分の安定やリラックスに関与しています。ホルモン変動がセロトニンの分泌低下を引き起こし、不安や抑うつ症状につながります。

栄養不足や生活習慣

  • 鉄分不足:貧血が気分の落ち込みや疲労を招く。
  • ビタミン・ミネラル不足:神経伝達物質のバランスを崩す。
  • 睡眠不足ストレスもメンタルの不安定さを悪化させる要因です。

5. 対処法と治療法

① 生活習慣の改善

  • 食事:栄養バランスを意識し、ビタミンB6やマグネシウムを含む食品(バナナ、玄米、魚など)を摂取。
  • 運動:ウォーキングやヨガでリラックス。
  • 睡眠:7〜8時間の質の高い睡眠を確保。

② ストレスケア

  • 瞑想や深呼吸、アロマテラピーなどで心を落ち着かせる。
  • リラックスできる趣味や時間を持つ。

③ 専門的な治療

  • ピル:ホルモン変動を抑えることでPMSやPMDDを軽減します。
  • 漢方薬:体質改善や自律神経を整える作用があります。
  • 抗うつ薬:セロトニンの働きを助け、重度の症状に対応。

6. 自分を理解し、周囲にサポートを求める

メンタル不調を「気のせい」や「我慢すべきもの」と考えず、自分の体の状態を理解することが大切です。生理周期や症状を記録し、重い場合は医師や専門家に相談しましょう。また、家族や職場にも理解を求め、サポートしてもらえる環境を整えることも重要です。


生理前後のメンタル不調は、ホルモンバランスの影響で誰にでも起こり得るものです。症状を軽視せず、適切なケアや治療を行うことで、心身の健康を維持することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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