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発達障害とは??

[2023.05.22]

 

 

発達障害について詳しく解説します。

発達障害は、生まれつきの脳の発達の偏りや特性によって、成長過程や日常生活においてさまざまな困難が生じる状態です。

 

現代社会では、発達障害への理解や支援が少しずつ進んでいますが、依然として誤解や偏見が残っている場合もあります。

以下では、発達障害の種類、原因、診断方法、日常生活での支援の仕方についてさらに詳細に説明していきます。


発達障害の概要

発達障害は脳機能の偏りや発達の違いによって生じます。発達障害がある人は、社会生活の中で**「できること」と「できないこと」の差**が大きい場合が多く、周囲から理解されづらいことが課題になります。発達障害の特徴は乳幼児期から見られることが多いですが、幼少期には気づかれず、成人してから初めて診断されることも少なくありません。

発達障害は、決して「育て方」や「本人の努力不足」が原因ではありません。科学的には、生まれつきの脳の機能や発達の特性が関係していることが分かっています。発達障害は大きく以下の3つに分類されますが、それぞれが重なり合って現れることもあります。


発達障害の種類

1. 自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)

自閉スペクトラム症(ASD)は、以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」と呼ばれていましたが、現在では「スペクトラム(連続体)」という言葉が使われるようになりました。これは、症状や困難の程度が人によって大きく異なるためです。

  • 主な特徴

    1. 社会的コミュニケーションの困難
      • 相手の気持ちや状況を読み取ることが難しい
      • アイコンタクトや表情、言葉のやり取りに苦手さがある
      • 適切な距離感を保つのが難しい
    2. 興味や行動の限局性・反復性
      • 特定の物事への強いこだわりや興味(例:電車、数字、機械)
      • 日常のルーティンを変えたくない
      • 同じ行動や言葉を繰り返す
    3. 感覚の過敏さ・鈍感さ
      • 音や光、匂いに対する極端な反応(過敏)
      • 逆に痛みや温度の変化を感じにくい場合もある(鈍感)
  • 日常生活への影響
    ASDの人は、社会的なやり取りや変化への適応が難しい場合があります。しかし、同時に高い集中力や専門的知識を発揮することもあり、特定分野で非常に優れた能力を持つことがあります(例:数学、音楽、芸術、データ分析など)。


2. 注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

ADHDは、主に以下の3つの症状が特徴です。

  • 不注意

    • 集中力が続かない、物事を忘れやすい
    • 約束や締切を忘れる
    • ケアレスミスが多い
  • 多動性

    • じっとしていられず、つい体を動かしてしまう
    • しゃべり続ける、静かな環境が苦手
  • 衝動性

    • 考える前に行動してしまう
    • 人の話を遮ってしまう
    • 順番を待つことが難しい
  • 日常生活への影響
    ADHDは学業や職場において、ミスが増えたり時間管理が苦手だったりすることで周囲から誤解されやすいです。しかし、適切なサポートがあれば、優れた発想力や行動力を発揮できる人も多くいます。


3. 学習障害(LD:Learning Disabilities)

学習障害は、知的発達に遅れはないものの、特定の分野において学習が困難な状態を指します。

  • 主な症状

    1. 読字障害(ディスレクシア):文字を読むことが困難
    2. 書字障害(ディスグラフィア):文字を書くことが苦手
    3. 算数障害(ディスカリキュリア):計算や数字の理解が難しい
  • 日常生活への影響
    学校の勉強で困難を感じやすく、成績が伸びない場合がありますが、工夫次第で克服することも可能です。ICT機器の導入や特別な学習支援が効果的です。


発達障害の原因

発達障害の主な原因は、遺伝的要因や脳機能の発達の偏りです。胎児期の脳の形成過程や遺伝の影響によって、脳の特定の領域が通常とは異なる働きをすることが分かっています。

ただし、育て方や家庭環境が原因ではないことが科学的に証明されています。誤った偏見が残っているため、社会全体の理解が不可欠です。


診断と支援の方法

診断

発達障害は専門的な検査や医師の診断によって確定します。診断の過程では、以下の点が考慮されます:

  • 発達の遅れや行動の特徴
  • 親や学校からの聞き取り調査
  • 心理検査(知能検査、行動評価スケールなど)

支援の方法

  1. 環境調整

    • 学校や職場で適切なサポートを行う
    • 作業を細分化し、分かりやすく指示する
    • 落ち着ける環境を整える
  2. 療育やトレーニング

    • ソーシャルスキルトレーニング(SST):対人関係の練習
    • 感覚統合療法:感覚過敏や鈍感さに対応
  3. 心理的サポート

    • カウンセリングや行動療法を通じて、ストレス軽減や行動改善を図る
  4. 薬物療法(必要に応じて)

    • ADHDに対しては、集中力を高める薬が処方される場合があります。

発達障害と社会の理解

発達障害は個性の一部として捉え、その人が持つ強み特性を最大限に活かすサポートが重要です。周囲の理解と適切な支援があれば、本人の潜在能力を引き出すことが可能です。

発達障害を持つ人が過ごしやすい社会の実現には、学校、家庭、職場、地域社会全体での連携が欠かせません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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